子どもの教育費は親にとって大きな負担となりますが、その中でも大学進学は特に重要なポイントです。しかし、大学進学にかかる費用は決して安くありません。そこで、子どもを大学まで行かせるためには、世帯年収がいくら必要なのか、成人までに掛かる学費と日本の平均世帯年収のデータをもとに検証してみました。
まず、日本の平均世帯年収についてですが、総務省の「令和3年国民生活基礎調査」によれば、2021年時点での平均世帯年収は約543万円です。この金額が、子どもの教育費をまかなうための基準となります。
次に、子どもが成人するまでにかかる教育費について見てみましょう。子どもが小学校から大学卒業までにかかる教育費は、学習塾や予備校などの教育支援を含めて、おおよそ2000万円程度と言われています。ただし、この金額はあくまで一般的な目安であり、個々の家庭や学校によって変動があります。
子どもを大学まで行かせるためには、この教育費をまかなえるだけの年収が必要です。2000万円の教育費を18年間で分割すると、毎年約111万円の教育費が必要となります。この金額に、家族の生活費や住宅ローン、保険料なども加えると、大学まで子どもを育てるためには、平均世帯年収である約543万円では厳しいかもしれません。
そこで、家計のやりくりや節約が重要となります。また、奨学金や教育ローンなどの制度も活用することで、家庭の負担を軽減することが可能です。子どもを大学まで行かせたいと考える子どもを大学まで行かせたいと考える親御さんは、早い段階から教育費の計画を立て、家計管理をしっかりと行うことが大切です。教育費を貯める第1のステップとして、貯蓄目標額をいくらに設定するか決める必要があります。これは、「子どもにどんな教育を受けさせたいか」ということに密接に関わってきます。最終学歴をどこに設定するのか、国公立中心か、中学から私立も選択肢に入れるのかなどで、用意するべき教育資金は大きく変わってくるため、夫婦でしっかり話し合って決めましょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)として相談すると、「将来、子どもが希望したら大学や専門学校に行かせてあげたい」と考えているという方には、最低でも300万円～500万円程度を目安に貯めておくことを提案されます。大学入学時に300万円の貯金があれば、家庭から出せる分もあり、奨学金や子どものアルバイトなどで何とかできるラインだからです。
大学入学までに「最低300万円」が目標額の目安となりますが、実際にどのくらいの貯蓄が必要かは、家庭の状況や子どもの進学先によって変わります。そのため、早期から貯蓄計画を立て、無理のない範囲で教育資金を積み立てていくことが重要です。
また、貯蓄だけでは不安な場合は、投資や保険などの金融商品も活用して、教育費を効率的に貯める方法も検討してみましょう。ただし、リスク管理をしっかり行い、適切な選択をすることが大切です。
結論として、子どもを大学まで行かせたい場合、家庭の年収だけでなく、教育費の目標額や貯蓄計画を立てることが重要です。また、奨学金やアルバイトなどの制度を活用し、家庭の負担を軽減することも考慮に入れて子どもの未来のためにも、親として最善の選択をして、教育費の計画を立てていきましょう。
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