EVシフトによる町工場のエンジン技術の将来

電気自動車（EV）へのシフトにより、エンジン車の需要が減少し、エンジン部品を製造する中小メーカーに影響が出ています。国や地域の支援が始まっていますが、エンジンの需要はまだ根強く、脱エンジン化の流れが定まっていないため、中小メーカーは混乱しています。

経済産業省が展開している「ミカタプロジェクト」では、EVシフトによって影響を受けるエンジン部品メーカーに対して業態転換を支援しています。しかし、窓口相談や専門家の派遣はまだ少ない状況です。
相談に訪れる企業の悩みは深刻で、業態転換の方法やタイミングが分からないという声が多く聞かれます。新規事業の開発や他企業とのビジネスマッチングを進めることが求められています。

国内自動車メーカーは電動化目標を打ち出していますが、ディーゼル車を含めると昨年の国内新車販売台数の約50%はエンジン車でした。また、ハイブリッド車（HV）もエンジンを搭載しており、エンジン需要は急減しないと見られています。

自動車メーカー間でも、EVに対する姿勢は異なります。ホンダは2040年までに販売をEVと燃料電池車（FCV）のみにすると表明していますが、トヨタ自動車はEV、HV、FCVを含めた全方位戦略を取っています。日産自動車もエンジン車廃止には言及していません。

欧州において、ドイツはCO2と水素で作られる合成燃料「e燃料」を使用するエンジン車の販売を容認するようEUに要請しています。この要請の理由は、e燃料が実質的にCO2排出がないためです。この動きは、欧州のエンジン車とEVのバランスに影響を与える可能性があり、エンジン技術の存続に関して新たな選択肢を提案しています。このような状況において、町工場や中小企業も、新しい燃料技術の開発や採用に積極的に取り組むことで、持続可能なエネルギー戦略に貢献することが期待されています。

EV化が確実に迫る中、既存事業を温存しつつ、いかに転換を進めるかが課題となっています